2022年調剤報酬改定【財務省資料まとめ】

2022年調剤報酬改定【財務省資料まとめ】

2021年11月18日に財務省から社会保障にかんする資料が発出された。
2022年度調剤報酬改定に向けての資料をまとめてみました。

この記事を読むことで得られるメリット
2022年の調剤報酬改定の内容を予想することができる
2022年の調剤報酬改定に向けて準備をすることができる

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悩める薬局長

「2022年に調剤報酬改定があるけれど、今までと何が変わるんだろう。何を準備しておけば利益が下がらないようにできるかな」


こんな疑問に答えます。

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荒川

2022年の調剤報酬に関していろいろな議論がはじまりましたね。情報をいち早くゲットして、来るべき調剤報酬改定にそなえていきましょう。

調剤報酬について

調剤報酬について

〇 薬剤師業務の対物業務から対⼈業務への転換が求められ、調剤報酬は、薬学管理など価値のあるサービスを提供する薬局・薬剤師を評価する⽅向にシフトしていくべきである。

〇にもかかわらず、技術料に占める調剤基本料、調剤料及び薬学管理料の割合についてほとんど変化しておらず、調剤基本料や調剤料に依存した収益構造は依然として継続。

〇 調剤料について、剤数や⽇数に⽐例した算定⽅法を適正化するなどの⾒直しを講じつつ、対物業務から対⼈業務への構造転換を後押しする調剤報酬改定としなければならない。

対物業務→対人業務への流れは避けることができませんね。
薬剤師が現在の業務を行いつつ、対人業務にシフトすることは不可能です。
調剤業務の対物業務は事務や機械に任せていくような業務フローの改善が必要になります。

調剤基本料や調剤料の点数はますます下がっていくでしょう。
減らされたぶんを新しく設定される薬学管理料で、しっかりと加算を取っていかないと売り上げは下がっていきます。

ひとつのカギになるのが、医師へのトレーシングレポートです。
無意味なトレーシングレポートを書いてもゴミが増えるだけです。
先日もこんなツイートをしましたが、医師からの信頼も失うので絶対に無意味なトレーシングレポートはやめましょう。

かかりつけ薬局について

かかりつけ薬局について

〇 近年の調剤報酬改定でかかりつけ機能の評価を強化してきたが、調剤基本料のうち地域⽀援体制加算の実績要件について、制度化された地域連携薬局の要件との整合性が明確でない。調剤報酬上の評価については、制度化された「地域連携薬局」に対して⾏うこととし、制度⾯の対応と調剤報酬上の評価とが相まって、かかりつけ薬局・薬剤師機能の発揮を促していくことが望ましい。

〇 また、外来医療における「かかりつけ医」以外の受診への定額負担の導⼊とあわせて、「かかりつけ薬局・薬剤師」以外の処⽅箋受付における負担のあり⽅についても検討を深めるべきである。

これは地域支援加算がなくなるということでしょうか・・・
地域連携薬局は836件の薬局しか取れていないです。
今まで地域支援加算を取っていた薬局は地域連携薬局の認定を取れないと売り上げが激減してしまいます。

ネックになるのは無菌調剤室ですね・・・
算定している薬局で自分の薬局に無菌調剤室がない薬局はどのようにしてクリアしているのか聞いてみたいですね。

「かかりつけ薬局・薬剤師」以外だと負担が高くなるという事ですかね?
かかりつけ薬剤師も無理やりでなく、本当に患者さんが選べるシステムにして欲しいものです。
あと24時間対応なんとかならないかな。

同一敷地内薬局について

同一敷地内薬局について

〇 薬局・薬剤師のあるべき姿とは異なる処⽅箋の集中率が著しく⾼い薬局やいわゆる同⼀敷地内薬局等については、これまで調剤基本料の⾒直しを進めてきたが、こうした取組は着実に進めるべきである。

〇 特に、同⼀敷地内薬局については、令和2年度診療報酬改定による⾒直しにもかかわらず、引き続き誘致の動きが⾒られる。

〇 経済的、機能的、構造的独⽴に疑義をもたらす同⼀敷地内薬局の誘致は医薬分業の趣旨を損ねるものであり、調剤基本料の適正化を⼀段と強⼒に進めることは勿論、規制的⼿法も⽤いてこうした薬局の在り⽅を正していくべきである。

自分の子供が薬をもらっている敷地内薬局は「調剤基本料 9点」で安いことをアピールしています。
確かに門前薬局より敷地内薬局のほうが便利で、しかも安いですよね。

さらに基本料が安くなるのは患者さんにとってはいいことですね。
しかし調剤薬局にとっては敷地内薬局でもらったほうが安いということは広がらない方が良いです。

後発委託品調剤体制加算について

後発医薬品調剤体制加算について

〇2020 年(令和2年)9⽉時点の後発医薬品の使⽤割合は78.3 %であり、80 %とする⽬標に届かなかった⼀⽅、後発医薬品の数量シェアを、2023 (令和5)年度末までに全ての都道府県で80%以上とする⽬標を新たに設定したところである。

〇昨今の後発医薬品メーカーによる不祥事等の中、後発医薬品の品質及び安定供給の信頼性確保に取り組むことは⼤前提であるが、令和3年度予算執⾏調査で指摘したとおり、後発医薬品調剤体制加算について、令和5年度末までの新⽬標による適正化効果の増分が200 億円と⾒込まれる⼀⽅、現⾏制度では年1,200 億円程度の加算とされており、費⽤対効果が⾒合っていないという問題がある。加算制度については、廃⽌を含めた⾒直しを⾏い、減算について対象を⼤幅に拡⼤するなど減算を中⼼とした制度に⾒直すべきである。

〇なお、後発医薬品調剤体制加算の⾒直しにあわせ、処⽅側の医療機関の⼀般名処⽅加算や後発医薬品使⽤体制加算のあり⽅も同じ⽅向で⾒直しが必要となる。

後発体制加算は無くなる前提で考えておいた方がよいです。
75%以上が廃止されて、80%と85%も減点になるのではないでしょうか。
全ての処方せんにかかってくる加算なので痛いですが、いつまでもくよくよと考えないで新たな加算を取ることを考えていきましょう。

リフィル処方せんについて

リフィル処方せんについて

〇 「⾻太の⽅針2017」で「医師の指⽰に基づくリフィル処⽅の推進を検討する」とされたものの、2018年度改定では、2016年度改定で導⼊された医師の分割指⽰による分割調剤の⼿続きの明確化にとどまった。「⾻太の⽅針2021」で、「症状が安定している患者について、医師及び薬剤師の適切な連携により、医療機関に⾏かずとも、⼀定期間内に処⽅箋を反復利⽤できる⽅策を検討し、患者の通院負担を軽減する」ことが明記されており、改めてリフィル処⽅の導⼊の検討が求められている。

〇 リフィル処⽅は、利⽤しない場合より処⽅期間が⻑期化し、処⽅を⾏う医療機関への通院負担が減る⼀⽅、分割調剤は利⽤しない場合と⽐べて処⽅を⾏う医療機関への通院負担は減らない。分割調剤がリフィル処⽅と同様の効果をもたらすには、⻑期の処⽅が前提となるが、現在の通知上は例外的扱いであり、分割調剤の算定回数は少ない。患者の通院負担の軽減や利便性の向上から新型コロナ禍でそのニーズも増しているなか、⼤きく仕組みを変えていくことが必要であり、リフィル処⽅を時機を逸することなく導⼊すべきである。

〇 もちろん、リフィル処⽅は、かかりつけ薬剤師が処⽅医と情報連携しつつ、患者に対し服薬期間中にわたって服薬管理を⾏い、必要に応じて患者に医師への受診勧奨を⾏うことが前提となる。そうした服薬指導・管理の評価を調剤報酬上充実・強化していくこともあわせて検討すべきであり、地域連携薬局制度が導⼊される中で、制度導⼊への環境は整いつつある。

(注)ただし、リフィル処方の導入については、依存性の強い向精神薬等については避けるべきであり、前回と同じ内容の処方が長期にわたって行われているような生活習慣病等に対象を限ることが必要である。

リフィル処方せんは現実になったとしても、それ相応の点数がつかないと医療機関が減収になってしまいます。
最初は医師もリフィル処方せんを発行しないと思われるので、浸透するのに時間がかかりそうです。

たとえば90日分の処方せんを発行するよりも、30日分x3回のリフィル処方せんを発行する方が診療報酬が高くなるような設定にならないと難しいのではないでしょうか。

そうすると割を食うのは薬局で90日分の処方せんより、リフィル処方せんのほうが調剤料や薬歴管理料を下げられてしまうと減収になるでしょう。

リフィル処方せんで2回目、3回目の調剤料や薬学管理料などの点数が高くつけば調剤薬局にもうまみがある制度になるでしょう。

「向精神薬は避けるべき」と記載があるので、多剤服用していることが多い高齢者などには難しいかもしれません。

多剤・重複投与薬への対応

多剤・重複投与薬への対応

〇多剤・重複投薬、さらには⻑期処⽅の課題は、その適正化が医療費適正化につながるのみならず、医療の質の改善につながり得るものであることを踏まえ、取組を強化すべきである。

〇薬局における処⽅内容の疑義照会や減薬の提案の在り⽅についても⾒直しが必要となるが、調剤報酬における対応のみならず処⽅側の対応がより重要となる。

〇医療機関が、患者の過去の診療・処⽅箋情報等を参照可能となるよう、電⼦処⽅箋・オンライン資格確認システムにおける薬剤情報の活⽤を図り、患者の保健医療情報を効率的に医療機関・薬局等において確認できる仕組みを着実に構築するとともに、診療報酬における多剤・重複処⽅について、減算等の措置を導⼊・拡充すべきである。

〇2020年に⾃殺者数が11年振りに前年を上回り、⾃殺対策は⼤きな課題となっており、⾃殺に追い込まれることのない社会を⽬指し、総合的な対策を推進する必要。11年前を振り返れば、厚⽣労働省は、⾃殺対策に関し、向精神薬の過量処⽅を問題視。

〇その後、向精神薬について、多剤処⽅や⻑期処⽅の適正化を図るべく、累次の診療報酬改定が⾏われてきたが、これまでの取組の効果を点検し、海外では投与期間が制限されている依存性の強い薬剤を含め、取組を強化すべきではないか。

2023年からの電子処方せんの導入で、多剤処方を薬局で調べられるようになれば発見が増えるでしょう。
お薬手帳に全ての処方薬が書いていない患者さんも多く、患者さんに聞いても
「湿布をもらっている」
「痛み止めをもらっている」
などにとどまり、薬剤の特定ができないのが現状です。

「ちょっと調べますね~。ああ、おんなじお薬ですね」
などと簡単に調べられるようになるとといいですね。

オンライン資格確認システムも軌道に乗れば(現状は全くダメですが・・・)、保険資格なしの返戻が激減するでしょう。

コロナの影響か自殺者が増えましたが、もともと日本人は自殺者が多い国です。
江戸時代からの切腹や世界大戦時の敵につかまるよりは自害を選ぶなどの風習が影響しているのでしょうか。

2022年調剤報酬改定の対策なにする?

・対物業務から対人業務へのシフトが行われていく
・薬剤師の業務をみなおし、調剤事務への仕事の転換をはかる
・地域支援加算の加算が地域連携薬局への加算へとシフトしていく
・後発医薬品調剤体制加算は今後は徐々に廃止される見通し
・リフィル処方せんの導入
・電子処方せん、オンライン資格確認の導入

このあたりを重点的に見ていけば2022年の調剤報酬改定にも対応していけるのではないでしょうか。

>>関連情報
原文はこちら>>財務省「財政制度等審議会財政制度分科会資料 」

あらたか

調剤薬局の薬剤師歴28年目の薬剤師です。
自分が薬局長になったばかりのころ、わからないことだらけで当時は調べるのにも相当時間がかかりました。
新人薬局長のお役に立てれば幸いです。

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