前立腺肥大の薬
前立腺肥大について
前立腺肥大の病態については別ページ参照。
α遮断薬
前立腺のα1受容体を遮断し、排尿困難を改善する。
- フリバス、アビショット(ナフトピジル)・・・α1D受容体選択的阻害薬
- ハルナール(タムスロシン)・・・α1A受容体選択的阻害薬
- ユリーフ(シロドシン)・・・α1A受容体選択的阻害薬
- エプランチル(ウラピジル)・・・どちらかというと降圧剤として使用
- バソメット(テラゾシン)・・・どちらかというと降圧剤として使用
- ミニプレス(プラゾシン)・・・どちらかというと降圧剤として使用
5α還元酵素阻害薬
- アボルブ(デュタステリド)・・・前立腺の大きさを縮小させる(半年で約30%減少、ただしやめると元に戻る)。女性が触ることも禁忌。遅効性(効果が現れるまでに数ヶ月かかる)。PSAに影響するので先に検査で前立腺がんと区別しておく必要がある。
ホスホジエステラーゼ5阻害薬
- ザルティア(タダラフィル)・・・前立腺及び膀胱平滑筋、下部尿路血管の平滑筋内にて、PDE5を阻害してcGMP濃度を上昇させ平滑筋弛緩作用を示す。第一選択も可能だが、基本作用が血管拡張作用のため、尿道の圧迫がある程度取れてから使うとよい。
抗アンドロゲン薬
テストステロンやジヒドロテストステロンといったアンドロゲンを抑制する薬。ホルモン療法は血管等の老化を早めるためあまり推奨されない。
- ルトラール、プロスタール、プロスタット(酢酸クロルマジノン)・・・黄体ホルモン薬として、LHに対して強力なフィードバック、これによりLHの作用で産生されるテストステロンの産生を抑制する
- パーセリン、ペリアス(アリルエストレノール)・・・前立腺細胞内に選択的に取込まれ、アンチアンドロゲン作用を示す。 血中テストステロンの前立腺細胞内への選択的取込み阻害作用を示す。 テストステロンから5α-ジヒドロテストステロン(5α-DHT)への還元阻害作用を示す。 5α-DHT・サイトソールレセプター複合体形成阻害作用を示す。
- デポスタット(カプロン酸ゲストノロン)・・・直接前立腺に作用し、前立腺腺腫の縮小又は前立腺腺腫の成長を抑制する。血中のテストステロンが前立腺細胞内に取り込まれるのを阻害し、さらにテストステロンが、5α-還元酵素によって活性型5α-DHTへ転換するのを阻害する。 また、カプロン酸ゲストノロンは、マイルドなゴナドトロピン分泌抑制作用も認められている。
アミノ酸製剤
- バラプロスト、バロメタン(Lグルタミン酸、Lアラニン、アミノ酢酸)・・・抗浮腫作用、前立腺組織代謝改善。
植物エキス製剤
生薬製剤は効きがイマイチのため、痛みを抑える目的で使われるにすぎない。
- エビプロスタット(エキス配合剤)・・・抗炎症作用と抗酸化作用が主。排尿促進作用、前立腺重量抑制作用、尿路消毒殺菌作用。
- セルニルトン(セルニチンポーレンエキス)・・・抗炎症作用、排尿促進作用
抗前立腺がん薬
- オダイン(フルタミド)・・・非ステロイド性抗アンドロゲン薬。前立腺に直接働いてアンドロゲンの作用を阻害
- カソデックス(ビカルタミド)・・・非ステロイド性抗アンドロゲン薬、アンドロゲン受容体に拮抗
- エストラサイト(リン酸エストラムスチンNa)・・・エストラジオール(女性ホルモン)とナイトロフェンマスタード(シクロフォスファミド)の化合物。
- ゾラデックス(酢酸ゴセレリン)・・・ゴナドトロピンアゴニストで、ダウンレギュレーションを起こしてゴナドトロピン分泌を低下
- 酢酸リュープレン(酢酸リュープロレリン)・・・徐放性ゴナドトロピンアゴニストで、ダウンレギュレーションを起こしてゴナドトロピン分泌を低下
- ランダ、ブリプラチン(シスプラチン)・・・DNA合成阻害および細胞分裂を阻害
コメントor補足情報orご指摘あればをお願いします。
- << 前のページ
- 次のページ >>