IgE抗体、肥満細胞

Th2細胞から出されるIL-4やIL-13の作用にて産生されたIgE抗体は、その下部(Fc部)肥満細胞、好塩基球、好酸球に発現しているFCR(FcεRⅠ、FcεRⅡ、FcγR etc...)に結合させた状態で、アレルゲンがくっつくのを待ちます(感作されている場合はIgE抗体が多数くっついている状態)。

そして、Y字型の先端(Fab部)に抗原(アレルゲン)が結合するとFcεRⅠが凝集し、受容体がリン酸化、PLCγが活性化されることでIP3(イノシトール三燐酸)を産生し、それが筋小胞体に作用してCaが遊離し、CNが活性化されると共に、ヒスタミン、ロイコトリエンC4、PAF、好酸球走化因子らが分泌(脱顆粒)され、アレルギー症状が発現します。

なお、IL-4、IL-13は肥満細胞、好塩基球、好酸球からも産生されることが知られている。

受容体

FcεRⅠは高親和性IgE受容体、FcεRⅡは低親和性IgE受容体、FcγRはIgG受容体の略です。

このFcεRⅠですが、最近の研究で単量体IgEが結合することでFcεRⅠが安定化し、肥満細胞表面のFcεRⅠの発現が20~30倍増強、すなわち、アレルゲン刺激に対する感受性が亢進することが明らかにされました。

また、肥満細胞の活性化には肥満細胞が単にIgEに結合するのだけでなく、二つ以上のFcεRIが架橋されることが必要です。

アトピーのヒトの場合、一般のヒトに比べて好酸球の数値が高いと言われています。

好酸球のIgEレセプター(FcεRⅡ)は低親和性であるので、ほかの顆粒球に比べて好酸球は活性化しにくいのですが、体質的にTh2優位であるアトピーの人は、IgE抗体を産生しやすく低親和性のレセプターを刺激しやすい上に、感作による細胞傷害性T細胞の活性が高く、好酸球走化因子(ECF-A)が多く出されるために、好酸球過多の状況が起こると考えられます。

好酸球は、主要塩基性たん白(MBP)、(好酸球塩基性たん白(ECP)、好酸球ペルオキシターゼ(EPO)などの組織傷害性蛋白を放出し、粘膜剥離、細胞傷害を起こします(寄生虫感染には有効)。



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